2023年以降、状況が大きく変わった

Googleは2023年7月にUniversal Analytics(UA)のサポートを終了し、GA4への移行を強制しました。多くのWordPress運営者にとって、これは痛みを伴う移行でした。新しいデータモデル、直感的でないインターフェース、そしてシンプルなページビューレポートではなくGoogle広告のアトリビューション中心に再設計された計測思想——以前の使い勝手とは別物です。

同時期、欧州のプライバシー規制当局が警告ではなく実際の制裁金を科し始めました。オーストリア(2022年1月)・フランス(2022年2月)・イタリア(2022年6月)の各データ保護機関が相次いで「Google Analyticsの使用はGDPR違反」という判断を下しています。欧州サーバーへの十分な保護措置なしに訪問者データが米国に転送されることが問題視されたのです。

さらに、Cookie同意バナーを誠実に実装すると、欧州の訪問者の40〜60%がアクセス解析Cookieを拒否することが各種調査で示されています。これは理論上の話ではなく、GA4のダッシュボードには実際の訪問者の半分しか映っていないことを意味します。

この3つの変化が重なった今、すべてのWordPressサイトにとってGA4が最適な選択かどうか、改めて問い直す必要があります。

GA4が得意なこと(公平な評価)

批判的な議論に入る前に、GA4の強みを正直に整理します。

  • 無料で使える。予算が限られているサイトにとって、「無料かつ機能的」は大きな強みです。
  • Google広告との深い統合。Google広告を運用してアトリビューションデータが必要なら、GA4はその用途では依然として最適なツールです。
  • 大きなエコシステム。チュートリアル・コンサルタント・ほぼあらゆるプラットフォームとのインテグレーションが充実しています。
  • BigQueryエクスポート。パワーユーザーは生のイベントデータにアクセスして高度な分析が可能です。

Google広告を本格活用している大規模なECサイトであれば、GA4は引き続き合理的な選択です。この記事の残りはそれ以外のWordPress運営者に向けた内容です。

GA4の実際の問題点(WordPress運営者向け)

複雑さの問題

GA4はページビューベースのシンプルなモデルを、イベントベースのモデルに置き換えました。あらゆるインタラクションが「イベント」になります。理論上は柔軟性が高まりますが、実際には大幅に複雑になりました。「先月このブログ記事は何人に読まれたか?」という単純な質問に答えるためだけに、固有の用語体系を持つ多タブのインターフェースをナビゲートする必要があります。

UAからGA4への移行で、多くのサイトの数年分の比較データが断絶しました。多くの運営者がデータギャップを受け入れて諦めた状況です。Google広告を使わないサイトにとって、GA4は明らかに過剰で複雑なツールです。

Cookie同意によるデータ欠損

GA4は依然としてCookieを使用します。つまりEU・EEA・英国、そして増加傾向にあるカリフォルニア州などの地域では、コンプライアントなCookie同意バナーを表示する必要があります。「コンプライアント」という点が重要です——オプトアウトを実際に尊重しないバナーは無効です。

研究では一貫して、欧州の訪問者の40〜60%が本当の選択肢を提示された場合に分析Cookieを拒否することが示されています。あなたのGA4ダッシュボードはオーディエンスの半分しかデータを見せていません。残りの半分は見えないままです。

データ主権の問題

GA4が計測するすべてのページビューはGoogleのサーバーにデータを送信します。あなたはオーディエンスのデータを蓄積しているのではなく、Googleのプラットフォームに提供しているのです。そのデータはGoogleの広告インフラに貢献します。あなたのアカウントが停止されることも、Googleが利用規約を変更することも、予期しない方法でデータを活用することも、すべて可能性として存在します。

より現実的な問題として、GA4から生データを自由にエクスポートすることはできません。BigQueryエクスポートは存在しますが、Google Cloudアカウントと技術的なセットアップが必要で、ほとんどのWordPress運営者には敷居が高いです。

欧州規制当局による使用禁止の実例

これは抽象的なリスクではありません。オーストリアのDSB(データ保護局)が2022年1月、フランスのCNILが2022年2月、イタリアのGaranteが2022年6月にそれぞれGoogle Analyticsの使用がGDPR違反であるとの判断を下しています。欧州で事業を展開するサイトは、この法的リスクを無視できません。

ファーストパーティ計測が解決すること

ファーストパーティ計測とは、自社のインフラで直接データを収集し、自社のデータベースに保存し、自分でコントロールすることを意味します。「ファーストパーティ」という言葉は、GA4のようにデータを外部プラットフォームに送信する「サードパーティ」ツールと対比されます。

FPAIのようなツールでは、データの流れはこうなります。

  1. 訪問者がWordPressサイトに訪問する
  2. 軽量なトラッキングスクリプト(Cookie不使用)がセッションとページビューをキャプチャする
  3. データは直接あなたのWordPressのMySQLデータベースに書き込まれる
  4. WordPress管理画面のダッシュボードで確認するか、好きなAIツールを接続して分析する

サーバーからデータは出ていきません。Cookieも不要です。サードパーティの同意バナーも必要ありません。

どちらを選ぶべきか(判断フレームワーク)

ファーストパーティ計測の限界(正直に)

公平のため、ファーストパーティ計測がすべてで優れているわけではないことも整理します。

  • Google広告のアトリビューションなし。Google広告を運用してGoogleエコシステムのラストクリックやアシスト コンバージョンデータが必要なら、その用途にはまだGA4が必要です。
  • クロスドメイントラッキングは非対応。複数ドメインをまたいだ統合セッションが必要な場合、ファーストパーティ計測はより複雑な実装が必要になります。
  • エコシステムが小さい。チュートリアル・既製のインテグレーション・専門コンサルタントの数は少ないです。

ファーストパーティ計測が勝る点

  • 完全なデータ。Cookieフリー計測により、60%ではなく100%の訪問者をキャプチャできます。
  • データ所有権。アクセスデータはGoogleのサーバーではなく、あなたのMySQLデータベースに保存されます。
  • よくある質問へのシンプルな回答。「今月のトップページは?」はカスタムExplorationクエリではなく2クリックで答えが出ます。
  • AIとの連携がデフォルトで可能。データは標準的なデータベースにあるため、どのAIツールでも独自APIやエクスポートの手間なく直接クエリできます。
  • 同意バナー不要。Cookieフリー計測はePrivacyの同意要件を満たします。
💡 AIの柔軟性こそ優位性 FPAIはアクセスデータを標準MySQLテーブルに蓄積し、読み取り専用ユーザーを自動生成。Claude・ChatGPT・Geminiなど、すでに使っているAIツールを直接接続してクエリできます。専用インテグレーションも仲介レイヤーも不要。AIは交換可能。データは交換不可能。

移行期のおすすめ:両方を並行運用する

移行を検討している場合、1四半期間だけGA4とファーストパーティ計測を並行して運用することを推奨します。これにより、ファーストパーティツールがGA4と同等のデータをキャプチャしていることを確認できてから、GA4を削除できます。

GA4を継続すべき場合:Google広告を本格運用してGoogleのアトリビューションデータが必要な場合、複数ドメインをまたいだ統合が必要な場合、またはGoogleエコシステムにレポーティング基盤全体が依存していて移行コストが高い場合。

ファーストパーティ計測に切り替えるべき場合:データを自分で所有したい場合、Cookie同意によるデータ欠損に疲れた場合、実際の質問に対してGA4が過剰で複雑に感じる場合、またはカスタムインテグレーションを構築せずにAIでトラフィックを分析したい場合。

まとめ

GA4がデフォルトとして機能したのは、アクセス解析データが自然にサードパーティプラットフォームに蓄積され、Cookie同意が理論上の問題にすぎなかった時代のことです。2025年においてその条件は変わりました。同意要件は執行され、データ主権が重要になり、AIツールは仲介なしに直接データベースを分析できます。

Google広告と深く結びついていない多くのWordPress運営者にとって、ファーストパーティ計測は今やシンプルかつ完全なデータを提供する選択肢になっています。


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